弓道審査での胴造りの重要性の説明と理解の仕方とは?

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【弓道における胴造りの重要性を理解しよう】

弓道における胴造りの重要性についての考察

射法八節の二節にあたる「胴造り」。

 

弦を下に返して弓を立て、矢を番えてから正しい姿勢と呼吸を整える大切な所作です。

 

弓道を始めて間もない初心者であっても、胴造りが射にもたらす重要性についてはなんとなく理解できているかと思います。

 

弓道の昇段にかかわる筆記試験でも「胴造りの重要性について述べよ」という問いが出題されます。

 

これは弓士にとって、胴造りの重要性は「なんとなく理解する」では不十分であり、その重要性について論理立てて説明できるほど深く理解しておく必要があるという証明でもあります。

 

射法八節の全てに言えることではありますが、そもそも胴造りを疎かにしていて成長は有り得ません。

 

では、胴造りを疎かにすべきでないと断言できる理由はなんなのか…今回は、その重要性と合わせて考察していきたいと思います。

 

 

【弓道昇段試験で「胴造りの重要性」はどう説明すべきか】

 

先ほども触れましたが、弓道の弐段昇段試験では「胴造りの重要性について述べよ」という筆記が出題されます。

 

その重要性について理解を深める前に、あえてこの問いに対し「どのように答えるべきか」という形から入ってみましょう。

 

胴造りの重要性について自分の脳内だけで理解していても、昇段試験には合格できません。

 

当然、「胴造りをはしょったらその後の動作に影響が出るから」というような雑な答え方をしても昇段できないでしょう。

 

明確な文字数規定があるわけではありませんが、300文字前後でわかりやすく明確に説明するということが重要です。

 

これはあくまで一例ですが、模範解答は以下のような形になります。

 

胴造りは終始行射の根幹となる。
外見では、胴造りは足踏みを基礎として両足の上に状態を正しく安静におき、腰を据え、左右の肩を沈め、背骨を真っすぐにし、総体の重心を腰の中央に置く。
内面では、心気を丹田に置き、縦は天地に伸び、横は左右に伸びることのできるような柔らかい、かつ隙のない体の構えを作る動作である。
胴造りは射位に立ってからのみで行う動作ではなく、次の活動的な動作へ移る前提でもあるため、射場に入るときには出来ていなければならない。
つまり胴造りは矢を射るときだけでなく、入退場に至るまで全ての動作の基本であり、射の良否を決定づけるほど重要な役割をもっている。

 

 

 

【胴造りの重要性を噛み砕いて考えてみよう】

 

胴造りの重要性について説明するには、その重要性を深く理解しておかなければなりません。

 

先ほどの模範解答を読み込めば初心者でもある程度は理解できると思いますが、実際に理解できるようになるのは、胴造りを正しくこなせるようになった後の話かもしれませんね。

 

弓道の心得を文字だけを読んで理解するというのも無茶な話ですが、とりあえずは「噛み砕いて考える」ということを試してみてもよいでしょう。

 

胴造りの何が重要で、どうして胴造りが欠かせない動作とされているのか…その理由を噛み砕いて、頭の片隅に置いておくだけでも今後の練習効率に差が出るかもしれません。

 

わかりやすくするためにあえて一言で表すならば、

  • 胴造りは「全ての基本」である

ということです。

 

皆さんも胴造りは射法八節の二節ということで習ったことと思いますが、

  • 胴造りは「足踏みの次に行う動作」というだけではなく、「射にふさわしい姿勢を整える動作」である

と理解しましょう。

 

誤解を恐れずに言うなら、それはボクサーがファイティングポーズを取ったり、野球選手がバットを構えたりするのと同じです。

 

試合が始まった瞬間にファイティングポーズを解くボクサーや、球が飛んできた瞬間にバットを置く野球選手はいませんよね?

 

それと同じで、弓道における胴造りは「その瞬間だけ行う動作」ではなく、「終わるまで常に保ち続ける動作」であるといえるのです。

 

弓道胴造り解説動画

 

 

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